安置場所と一般的な飾り方

仏壇を安置する場所を決める場合にもっとも問題となるのは向きで、これは三つの説があります。
また、仏壇内部の一般的な飾り方についても合わせてご説明していきます。

安置場所

仏壇を安置する場所の向きについて、三つの説があります。

  1. まずは「南向北座説」で、宮廷人が南向きに座って従者と対面していた古の習慣に倣っています。
  2. 次に「西方浄土説」ですが、これは仏壇に向かったときに西方浄土を拝めるように東向きに置くものです。
  3. 最後は「本山中心説」になります。これは仏壇に向かったとき、延長線上にその家の宗派の本山があるように置くという考え方です。ですから、たとえば、本山が京都にある場合は関東地方に住む人と中国地方に住む人では、仏壇の向きが逆になります。

また、仏壇と神棚を同じ部屋に安置する場合は、向かい合わせにしないようにします。これは、どちらかを拝んでいるときにもう一方に背を向けてしまうのを防ぐためです。

仏壇内部の一般的な飾り方

仏壇の構成は宗派や地方によって異なりますが、一般的には三段で荘厳(※)するようにできています。いちばん上に本尊を安置する須弥壇があります。本尊の両脇には脇侍仏や両大師を祀るようになっていますが、位牌を置くこともあるようです。本来位牌はその下、つまり真ん中の壇に置き、いくつかある場合は古い順に右から置いていきます。ただし、浄土真宗では位牌を用いずに過去帳か法名軸を祀ります。仏具はいちばん手前の壇を中心に置いていきます。須弥壇の上に上卓と呼ばれる棚があり仏飯器や茶湯器を、その下の前卓には香炉、燭台、花立を置きます。詳しい荘厳の仕方は菩提寺や仏壇店に尋ねてください。
※荘厳・・・仏像や仏堂、仏壇を本尊や仏具などで飾ること。仏具そのものを指すことも。

購入のタイミング

仏壇は四十九日忌法要までに購入する場合が多いようです。とはいっても、さまざまな事情で購入できないこともありますから、とりあえずは位牌と三具足を家具の上に置くだけの質素なものにしておいて、都合のいいときまで購入を先送りしても差し支えありません。 ところで、何でもないときに仏壇を買うと新仏が出るという人がいますが、これは「新仏が出たときに仏壇を買う」ことが逆転してできた発想ですので、気にする必要はありません。